潮先に聴こえる漣(さざなみ)に導かれ
少年に見合わないほど
大きな船を出す
風を捕らえて
流れるまま寄り道する心地
穏やかにゆらゆらり
飛沫(しぶ)く波の船体を撫でるリズムに
吐息躍らせて口笛を吹く
碧空(へきくう)に舞う翼
海原の水練(すいれん)に
天描く操舵(そうだ)の手振り
目指す場所
遥かまで
至上の落場(らくよう)からの
星の瞬き数多(あまた)
流れた一筋の
奇跡を辿るよう
明ける夜に
希望を馳せる
未だ観えぬ
世界まで
未だ観えぬ
世界まで