閉ざされた扉の鍵は
帳の向こうへ
息ひそめた耳元
刻む針だけが カチリ、カチリと
忘れていく季節を 今も数え続けてる
通り過ぎる足音
響く石畳 コツリ、コツリと
騒ぎかけた心も すぐに熱を失くしてく
夜を感じながら 誰の夢見ればいいの?
遠ざかる光 消えかけても
奇跡の意味を まだ信じてる
落ちる影集めて 幾重にも重ねて
かりそめに気付かないで 明けるまで
満ちる月隠して 闇に目を背けて
幻をほどいて また朝を迎える
息殺した胸元
残された気配 ずきり、ずきりと
思い出した痛みが 今日と昨日隔ててる
夜を覚えながら 誰の名で泣けばいいの?
限りない悪夢(ゆめ)が 心浸し
意識の外で 腕を伸ばした
「いつかこの名呼ばれる日まで」
わたし(リリス)はひとり 姿を消した
宵闇に溶かして 沈む指絡ませ
偽りさえも愛して 覚めるまで
暗闇に溺れて 暁に染めても
この声届くなら 願いはひとつ
閉ざされた扉の向こう
見果てぬ影だけ