退廃の物語が、再び幕を開ける。惨劇の果てに生まれ落ちた少女の名は"オフェストラ"
彼女の見る新たな世界、人々の歴史は無慈悲でありながら温かさを残す。
生きるということそのものに対する答え、彼女は其れを追い求めていく……。
―第一の退廃世界は、ある少女の命へと収束した。そして彼女自身、滅び再生する世界そのものへと姿を変えた―
運命は惨劇の血を喰らい、やがで世界は扉の外へ……第二の退廃世界へとその概を昂進していく。
古より沙汰なりて、痣と失すの一意思であり、黒き人ともいわれる者がいた。
この世界を外から見続ける。
幾度と無く繰り返される終わり、幾度と無く争い滅んでいく世界
其の世界に果たして意味があるのか、計り知れぬ遥より募る憤怒に似た感情
死を司りて尚、蒙昧とした生を見つめる。
血塗られた物語の落とし子、断章を紡ぐ少女、廃した世界より生まれいずる少女
姿形は不定であり、彼女の前では時は力を持たない。
赫き母の意思は彼女へと受け継がれ、その目で世界を見つめる。
生の象徴なりて、死を想う。
悲劇と惨劇は、姿を変えて互いを追い求めように奏で合い
無限を捨て手に入れた愛は輝き続け、其処に不可思議さを顕す
血に塗れて生まれた子は、愛を受け継ぎ
凄惨な骸は儚くも美しい
永遠に邂逅できぬ狂おしさに、涙が頬を伝い
人が人である限りの愚かしさを嘆いた
やがて少女と骸が出会い
牙城で愚かしさ故の愛おしさを叫ぶ
傷つけあうものたちは再び終わりを迎える
その時、少女は――。
"此処はどこなの?此処はとても暗いよ……ねぇ…暗いよ……"
"では、光を見に行こう"
ばらり……ばらりと、断片は再び集う。第二の退廃世界、此処は凄惨(聖餐)の謳