或り得ない名前を持つ者がいつも衝動する。
或り得ないのは ひどく懐 かしむ海がある
大善が いう「春を待とうか、雨は止むだろう」
鈍色(ニビイロ)の想いを胸に俺は指の生えた腕を持ち、
夕暮れには肺の中へ
アナログの心の臓へ、忍び 込んだ。
雄弁なる若者はオルタナ気どりで
雄弁なる若者は蒙昧(モウマイ)で、三月を破壊したがる
六月の虜になる。
溢れでる音、見えると溢れでる音、潰(ツイ)える。
月が見ている
月が見ている
月が見ている
月が見ている
月が見ている