北風の國には 龍がいたそうだ
まだ飛んだこと無い 強い龍だった
王樣はかわいがり
全て捧げた 民は
龍がいる それだけで
長い間 幸せ續いていたのさ
一度でも訪れたら
誰もが二度と 掃れぬほどに
北風を背に受け 遂に飛び立った
でも真上に上がり 落ちてきただけで
炎に沈んだ城が
國に知らせが 走る
誰ひとり 知らなくて
真實は 悲しみの鄰にいた
弔いの客達は
花束抱え 劍を隱し
長い冬
遠い春
北風が收まって
雪解けの 音が聞こえてきたなら
あの理想 この夢さえ
百年經てば お伽話