漆黒のベールさえ
わたしは息を掛けて
しばしのとき純白へと
塗り替える
ここには行き惑う
魂たちが集う
でもおまえはまだ
影さえ堕とさずに
地獄に生きれど
母なる聖なる
わたしは浅ましきゆえ
この身を腐らせ
おまえの名を呼び
死のない死を翫ぶ
痛みを隠すのは
ただひとつの悦び
皮膚の上を這う
炎の道しるべ
ここでは過ちも
真実も埋もれて
曝かれるは
己己 在るがまま
地獄の底こそ
天上の真上
罪を産み落とすは愛
わたしを抱くなら
おまえが生まれてきた
秘処を塞ぎ犯せ
地獄に暮らせど
母なる聖なる
美しき女たちは
永劫を背負い
戀しさに縋り
生なき生を葬る