巡り逢ったが
運の尽き
ハラリ 零れ落ちる
言葉 連ねたとて
誰もわたしに在る誠
触れも出来んじゃろ
サクラ 舞うが如く
今生とはおさらば
されど親に貰った
この身が可愛い
命より重い
べべ纏い微笑う
傷は絶えぬ喧嘩上等
覚悟しいや
抜いては戻す
刀と鞘
断ち斬るは修羅
その裂け目に
落ちた夢の
腸は無残ぞ
相まみえて
滾らせる血を
分け合えるなら
愛し其方 止めを
刺してくんなまし
花の盛りが惜しいかえ
バサラ 男衆よ
肩に獅子を隠し
殺気立つ眼(まなこ)でわたし
射貫きゃよかろうが
いざや 迎え伐たん
女冥利に尽き
咲けど散れど互いに
根無しの草ぞ
人の世の厚い
情けなど無用
天上天下唯我独尊
なめたらいかんぜよ
突いては穿つ
身体の芯
毀(こぼ)れる刃
その虚空と
痛みのなかだけに
心は生き
組んず解れつ
返す息は
緋の色を曳き
強いお人 魔道に
果てはありんすか
二人(ににん)地獄は浄土かえ
此処で逢ったが
百年目
あい おさらばえ
抜いては戻す
刀と鞘
断ち斬るは修羅
なおも向かう
場処は常に
一寸先の闇ぞ
相まみえて
滾らせる血を
分け合えたなら
愛し其方 一緒に
いってくんなまし
花の最期は見事ぞえ