恋に堕ちる唄なら
詩人たちが星の数書く
金糸雀の声持つ歌姫たちが
月昇るたび さえずる
だけどわたしのこころにあるのは
ただひとつの恋だけ
かつて愛された
想い それがあるから
夢も明日もいらない
小さな籠のなか暮らすの
………
愛に裂けた傷なら
時の針が痕なく縫おう
青褪めた裸の踊り子たちは
情熱を舞いつづける
だけどわたしのこころに
咲くのは散ることない黒薔薇
誰かを愛した
記憶 それがあるから
恐れも寂しさもなく
穏やかな微笑でいるの
………
いつもわたしのこころにあるのは
ただ一度の恋だけ
褪せる事のない
秘密を抱いたままで
一生 誰にも語らず
静かなる微笑で生きる
やがて老いてゆくほど少女のように