もし君が立つ
足下が崖なら
飛び降りるべきは
私の方で
翼などもう
疾うに失くしたから
天へと昇れる術を
持たないだけで
だけど羽よりも
そして誰よりも
いまの君をそっと抱ける
腕を持っている
苦しみを怺え
悲しみを越えて
それでも頽れたなら
地上で砕けた
星のように燃える
行き場なき希望の
帰る空を
何度でも捧げよう
君が覗いた闇の
深い底を
目に映す者は
私だけでいい
だからこうして
夜に歌いかける
すべてを呑み込む
虚無が目覚めぬように
どんな言葉なら
そして祈りなら
その心の奥に触れる
響きとなるだろう
愚かさを知って
愛しさを分かち
過ちに躓けど
許される明日を
願って立ち進む
穢れなき戦いの
どうして君を
独りにできるだろう
生きてきた意味を
生きてゆく理由を
命の血へと流れる
遠き人々の
思いが綴るのを
いつの日か読み取らん
愛よりも深く
罪よりも重く
積み重なってゆく時
もう誰も何も
君を引き裂けない
世界照らす輝きを
私たちは
静かにそばにいる