蓮の花のような手と手合わせて 印す傷を卍に重ねる 重み なんてものは こうして感じるのさ 墨画の日々へと零したい色 誰かが持つ甘い蜜の無色 本当に欲しいものなんて そんなもんさ 幾代の乱世を 超えた血の果て 生まれてしまった 万死の 一生 どこまでも侵略してやろう 攻め入ろうおまえに 緩慢な拷問で 牙を抜かれちまうよりも先に 昭和の詩人は唄ったろう 君死にたもうなかれ そんな綺麗な 涙なんて受け取れない 銃口を天に向け無意味を計る 飛ばぬ鷹の羽の空しさで 青い空を汚してゆくのが青春 されたくないのだ 家畜のように 愚か を記す民 群の一人には いくらでも略奪してやろう ものにするおまえを 泥濘の寝台で 優しく去勢されちまう前に かつて漢らは言っただろう さあ撃ちてし止まんと でも僕たちは 何を敵にすりゃいいんだろ どこまでも侵略してやろう 討ち入ろう 時代 に 監獄の自由に 目眩ましされちまわないために 昭和の作家は書いただろう 復讐するは我と だけど怒りを 持つのは神じゃなく己 持つのは神じゃない僕さ