サバンナを彷徨う私はライオン
風を切って夕日へと 駆ける
それとも雪の崖昇るカモシカ
群れと共に眠れる 月の欠片よ
初めて見るのになぜか懐かしい
そんな景色がいくつもあって
なんて不思議な気持ちになるんだろう
生まれてくる前
どこにいたのか
遙かな記憶は
何を導く
ひとりではないと
気づいたらここに
いま生きる意味知りたい
海原に抱かれる私はイルカ
波と歌い戯れて 泳ぐ
あるいは氷の道行く白クマ
水平線を越えてくる春を待つ
理由もないのになぜか涙が
こぼれる夜の孤独のなかに
なんて優しい気持ちが滲むんだろう
生まれ変わるたび
どこへと向かう
紡いだ記憶を
なくさぬように
大きな力を
呼び起こせるのは
誰にでもある奇跡
雨の草を渡る私は蟻で
輝く空の恵みを 受ける
太陽に近づくときには鷲で
自由に舞う翼が心そのもの
まぶたをとじれば広がってゆく
どこまでも海と森と大地
そしてこの地球という星を包む青
億万の夢見る小さな胎児
光を求めて腕を 伸ばす
やがて二本の足は土を踏んで
いまこうして生きてる私は人間
すべての生命は自然のなかに
あるがままに生き生かされている
なんて暖かな気持ちがあるんだろう
世界の夢は
地球が見る夢