行き先さえも見つけられなくて 風に消えそうな記憶を 細 (ほそ)い 糸 (いと)でゆっくりと 引 (ひ)き 寄 (よ)せる ざわめく心の声に耳を 澄 (す)まし 「 一体 (いったい) 何 (なん)のために 生 (う)まれてきたのか…」 そう、 問 (と)い 掛 (か)けた 月はかわらず僕を見つめ 今はまだ 応 (こた)えてはくれない 聞かせておくれよ その声を… 見せておくれよ その夢を… 醒 (さ)めぬ 眠 (ねむ)りに落ちても 怯 (おび)えることはないから 教えておくれよ 真実 (しんじつ)を… 告 (つ)げておくれよ その 罪 (つみ)を… 赤い涙に 濡 (ぬ)れている 隠 (かく)されたこの姿を… ただ 愛 (いと)しさだけが大きくなる 過去 (かこ)の名前さえ 思い 出 (だ)せないままなのに もうどうにも 出来 (でき)なくて 月は変わらず静かなままで 雨を降らせ続けた…