垣根の向日葵に隱れて
いそいでキスをした
君のやわらかなほっぺたは
きっととても甘いだろう
野兔追いかけて草の中
誰にも見えないね
素知らぬ顏した野原に
脫ぎ捨てた靴の矢印
何もない夏でした
ただ戀をしただけでした
踴る三日月真夏の夜は
夢見る戀を連れて來る
檸檬色した星を數えて
君の心にキスをする
笛の音が君をさらってく
風の中 やがて來る秋へ
若すぎる綠の林檎は
銀紙の味がする
切なさが實る枝から
君が盜ってくれました
眠らない魚の夢見る
終わらない夏でした
心も季節も林檎も
色付く事さえ忘れて
寒がりな風見の雞が
もうすぐ秋だよと謠う
搖れる三日月真夏の夜に
忘れた戀を思い出す
夢のひとひら 星の鈴音
君の心にキスをする
その夏のあどけない林檎
いつまでも胸にある果實