刹那(セツナ)に駆られるのは、 雨の余韻(ヨイン)のせいです。 鄙びた(ヒナびた)緋目緋色(ヒメヒイロ)だ! 青の迫撃(ハクゲキ)だ! 通りは唯(タダ)、侘びしく 鴉(トリ)の子にすら会えんとは! 抑揚(ヨクヨウ)の音は 今は何処(イズコ)へ・・・ 疲れきった瞼(マブタ)に アブサン流し 歩く。 太陽を背に茹だった(ウだった) 太陽を背に撃たれたし 惨!(サン) 淡く光る落日が、 血の色の額が、 歩く影が・・・。 憶!(オク) 銀色(ギンイロ)の薺(ナズナ)は 憶! 銀色の薺は 憶! 銀色の薺は 知覚(チカク)を一瞬で砕く! 一瞬で砕く! 芥(アクタ)をも砕(クダ)き 芥をも砕き 芥をも砕き 居座った(イスワった)・・・・ 芥をも砕き